チームを良い方向に導くためにリーダーが果たすべきこと

2014年09月17日

京セラコミュニケーションシステム株式会社
川島 雅樹

リーダーの果たす役割の中で、重要なことは自部門のあるべき姿(理想とする姿)を描き、そのあるべき姿に向けてメンバー全員の力を集結させることです。そして、描かなくてはならない自部門のあるべき姿とは何であるかと考えた時に、まず思い浮かぶのは、受注、売上、時間当りといった数字としての経営目標です。ただ、これらを掲げるだけでは十分ではなく、自部門がどのような集団であるかまでについて考えなければ、経営目標の達成も難しくなってしまうと私は感じています。

それは、自部門がどのような価値観や判断基準を持った人間集団となるかまで描く必要があり、さらにはメンバーの考え方や仕事への姿勢、日常の立ち振る舞いといったものまでもイメージしなければいけないのではないかと思うからです。メンバー全員の「人間性」や「人格」と言い換えても良いかも知れません。

ホテルなどの接客に関わる仕事では、ハード(建物・施設)、ソフト(運営ノウハウ)にヒューマン(人)が加わることにより相乗効果が生み出されますが、その中でも特にヒューマンが重要であるということをお聞きしたことがあります。それは、「お客様は千差万別なので、マニュアル以上のものが求められる。つまり、人間の持っている素養が表に出て、そこの価値が高まる。だからこそ、人間性を高めいていくことが重要である。」からだとのことです。

そういうことからも、リーダーが描く自部門のあるべき姿には、メンバーの「人間性」や「人格」がどのレベルでなければいけないのかを考える必要があり、結果、必要な場面においては、目指している姿を理解してもらうために、厳しい指導をしなくてはならないことがあると思います。メンバーの指導にあたり、この程度はいいだろうと安易な妥協を繰り返してはいけないと私自身も改めて痛感します。

また、リーダー自身はあるべき姿における「人間性」、「人格」はどのようなレベルであるかを示し、そのレベルへの到達にメンバー全員が意識するよう、常に良い影響を与える必要があります。皆様の会社のリーダーは、メンバーが人間性を高め、お客様第一を常に意識して行動できるような環境作りや働きかけができているかという点について、職場での様子や経営会議などの場で良く見ていただき、リーダー育成のポイントのひとつとしていただければと思います。

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