Research & Development 分散協調EMS

KCCS

分散協調EMSとは

電力自由化や脱原発の流れ、再生可能エネルギーの利用など、エネルギーを取り巻く環境は大きく変化しています。これを受け、各社からさまざまなEMS(エネルギー管理システム)が提案されています。中心となるのは省エネ・創エネ・蓄エネの仕組みで、従来は「見える化」や「ソーラー売電」など、それぞれ単体で提案されてきました。本研究テーマの主題はこれらを一体化して、環境面および経済面の効果を最大化することです。

この、いわば「三種の神器」は複数の設備がエネルギークラウドにつながることで、さらなる効果を得ます。従来の発電設備は重厚長大でした。しかしソーラーや蓄電池は家一軒、店一軒のレベルで設置でき、全国に大量遍在したこれらの設備を束ねるとき、これはもはや「メガソーラー発電所」だとみなすことができます。この仮想メガソーラーは、通常のメガソーラーと比べて、「地産地消型の効率的なエネルギー運用ができる」という優れた特長を持ちます。

分散協調EMSの概念図

私たちの研究活動は、この考え方を机上の空論で終らせることなく、事業として成立可能な状態にしていきます。

EMS実証実験の取り組み

分散協調EMSでは、「設備が大量遍在している」ということを前提にしていますので、チェーン展開している店舗を主な対象にしています。一例として、流通大手の小売り企業様と実証実験を行っており、その実験では、エコへの取り組みと同時に設備保守の観点からも注目しています。具体的には省エネ・創エネ・蓄エネ設備を店舗に設置して、主に電力ピークを抑制する「ピークカット」の仕組みに取り組んでいます。

それぞれの店舗で創蓄連携の充放電制御を行いつつ(個店最適)、さらにサーバを介すことで地域毎の最適化を図ります(地域最適)。その先、店舗だけでなく周辺家庭も含め、社会全体をスマートにしていく(社会最適)ための提案も行っていく予定です。

実証店舗のシステム構成

人工知能型のエネルギー制御

ピークカットを行うことで、電気代の基本料金を下げることができます(高圧受電の場合)。そのためには電力の消費変動およびソーラー発電変動を予測した上で、充放電制御を行う必要があります。ここで電力変動は、導入設備、気象条件、店舗運営などによって大きく変動します。これらの状況にリアルタイムに対応するため、人工知能型の予測制御エンジンを専用開発しています。

ピークカットの概念

ピークカット制御ロジック概要

ピークカット制御以外では、電力需要が逼迫した際、当局の要請があれば大量遍在した蓄電池を一斉放電することが可能です。またピークシーズン(通常、夏季)以外は、昼夜の電気代価格差を考慮した制御を行ったり、停電時の緊急電源として蓄電池を活用することもできます。これらを総合的に組み合わせることで、導入顧客の費用対効果を最大化するソリューションを目指しています。